グリーンブック

Green Book

2019年

おすすめ度
4

「グリーンブック」は、2018年に公開されたアメリカの映画であり、人種差別と友情をテーマにした作品です。本作は、実際に起きた実話を基にしており、アフリカ系アメリカ人のピアニストであるドン“ドクター”シャーリーと、イタリア系アメリカ人の用心棒トニー・ヴァレロンガの交流を描いています。

まず、本作の最大の魅力は、ドンとトニーという対照的な二人のキャラクターが織り成す感動的な友情です。ドンは才能あるピアニストでありながら、人種差別に晒されることが多く、孤独を感じています。一方、トニーは最初は人種差別的な考え方を持っていましたが、徐々にドンとの交流を通じて心を開いていきます。彼らの関係は、互いの違いを乗り越え、深い信頼と友情を築いていく様子が描かれています。

また、本作は1960年代のアメリカ南部の人種差別の現実をリアルに描いています。ドンが巡業先で差別的な扱いを受けたり、トニーがドンのために立ち上がる姿は、当時の社会の厳しさと苦悩を感じさせます。一方で、ドンは自身の才能と教養を通じて人々の心を動かし、少しずつ変化を起こしていきます。これは、希望と変革のメッセージを持つとともに、人種差別に立ち向かう勇気を与えてくれます。

映画の演技も素晴らしく、ヴィゴ・モーテンセン演じるトニーとマハーシャラ・アリ演じるドンの相性が抜群です。彼らはキャラクターの奥深さや感情の変化を見事に表現し、観客の共感を引き出します。また、映画の撮影技術や音楽も見事であり、時代背景を忠実に再現しながら、物語の情感をより一層引き立てています。

ただし、本作は批判的な意見も存在します。一部の批評家からは、本作が人種差別の問題をあまり深く掘り下げず、安易な解決策を提示していると指摘されています。また、物語がトニーの視点に偏っているため、ドンの視点や内面について深く描かれていないという声もあります。

それにもかかわらず、「グリーンブック」は感動的で魅力的な映画であると言えます。人種差別や友情といった普遍的なテーマを通じて、人間の絆や成長を描いています。映画を通じて、差異を超えて互いを理解し支え合うことの重要性を改めて感じることができるでしょう。

全体として、「グリーンブック」は優れた演技、感動的なストーリー、そして社会的なメッセージを伝える力強さを持った映画です。人種差別や友情について考えさせられる作品であり、視聴者に深い感銘を与えることでしょう。

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監督
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