セッション

Whiplash

2015年

おすすめ度
4

映画「セッション」は、若いジャズ・ドラマーのアンドリューが、名門音楽学校のスタジオ・バンドに入り、熱血指導者のテレンス・フレッチャーによって厳しいトレーニングを受けながら自分の演奏技術を磨いていく姿を描いた、強烈な人間ドラマです。

この映画は、演奏者と指導者の間に生まれる緊張感や苦悩、そしてその中での自己実現や成長を描き出しており、特にジャズの演奏シーンは圧巻です。アンドリューが繰り出すドラムの音が、スクリーンから飛び出すような迫力で聴こえ、その情熱や執念が伝わってきます。また、フレッチャーの指導は容赦がなく、時には暴力的な手段を使ってまで自分の理想の演奏家を作り出そうとします。その姿勢が一部の観客から批判を受けることもありますが、一方でフレッチャー自身もまた、演奏家としての経験を持ち、自分の指導法に信念を持っていることが描かれているため、その人物像に対しては様々な意見があると思います。

また、この映画は音楽のみならず、人間関係や成長についても描いています。アンドリューは自分が追い求める音楽の道に進むために、周囲との関係性や人間性を犠牲にしていくが、それが果たして正しい選択なのか、という問いも浮かび上がります。彼の父親が語る「成功とは、自分が望む人生を送ることだ」という言葉には、深い哲学が込められており、この映画の根幹にあるテーマです。

全体的に、この映画は、音楽の美しさや熱狂的な演奏に加えて、若者が自分の夢に向かって突き進む姿勢や、厳しい指導によって開花する才能についても描いており、非常に感動的な作品であると思います。ただし、暴力的な描写があるため、一部の観客からは批判を受けることがあるかもしれません。また、フレッチャーのキャラクターについても、過剰なまでの厳しさや手段に問題があるという指摘もされることがあります。しかし、この映画はあくまでドラマであり、フィクションであることを忘れずに鑑賞することが大切です。

総じて、「セッション」は、音楽や人間ドラマが好きな人には非常におすすめの作品です。演奏シーンの迫力や、アンドリューとフレッチャーのやり取りが描かれた場面は、心に深く刻まれることでしょう。また、成功や才能、自己実現について考えるきっかけとなる素晴らしい作品であると思います。

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監督
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